明日葉の効果一覧と考察

明日葉の概要

写真明日葉はセリ科シシウド属の植物。伊豆諸島をはじめ伊豆・三浦・房総・紀伊半島など太平洋沿いで採れますが、「伊豆諸島」のものが人気で、その中でも島によって系統が違っているのが特色です。

「ちぎっても明日には葉が生えてくる」、として明日葉と名付けられ、それは極端としても生命力に溢れた瑞々しい植物です。

葉の部分は天ぷらや「おひたし」として食卓に出されることも多く、大島や八丈島などでも名産となりますが、やや「苦味」「エグ味」のような風味が強く、苦手とする方も多い野菜です。

ただ、他の青汁素材が「まず食卓に出されない」、「全く野菜として扱われない」のと比べると、明日葉は少し異なっていますね。良い悪いってことではないんですが興味深いところ。

明日葉のポイント 1.ビタミン・ミネラル

青汁のベースになるだけあって、ビタミン・ミネラルのバランスは緑黄色野菜中でもトップクラスです。

バランス良い組成

緑黄色野菜に求められるビタミン・ミネラルは一通り含んでいます。ビタミンA、β-カロテン、B1、2、3、6、12、C、D、E、K、葉酸、パントテン酸と含み、カルシウム、鉄分、マグネシウム、リン、カリウム、亜鉛も高バランスで含有。

β-カロテン、ビタミンK

明日葉はβ-カロテン含有量も高く、「5300μg/100g中」。パセリでは7400μg、ニンジンでは8600μgとなっていますが、パセリを大量に食するのはちょっと厳しいですし、ニンジンが苦手な方・お子様にもおすすめ。葉物野菜ではトップクラスで、あのケールでも2900μg、小松菜3100μg、クレソン2700μg、レタスでは240μg、キャベツに至っては僅か50μgです。

βカロテンはビタミンAの働きを助け、抗酸化作用の他、一部のがんリスク低下、心疾患予防の効果があるとされます。

ビタミンKを500μg/100gも含んでいます。ちなみにケールは210μg、実は強いほうれん草でもビタミンKは270μgで、明日葉には及びません。

※ビタミンKは過剰摂取リスクがありませんが、ワーファリンを処方されている方は飲まないでください。青汁全般に言えます。

ミネラル分も高バランス

ミネラル分も優秀で、カルシウム65mg、カリウム540mgを含んでいます。この数値でもケール(それぞれ44mg、420mg)を上回っています。この辺は日本人に不足しがちと言われるので、ぜひ補いたいですね。

ビタミン・ミネラル分の分析からすると、「青汁の代表格、ケール」を上回る部分が多い「明日葉」ですが、ケールにはケールで特有の成分があります。どっちが良いと決めつけはできません。

明日葉のポイント 2.明日葉に特有の成分たち

明日葉だけの成分、もしくは他の青汁ベース素材には見られない成分があります。その辺りも調べてみましょう。

1)カルコン

こちらがまさに「明日葉」ならではの成分ですね。茎を折ったりした際に出てくる黄色い汁で、見たことがある人もいるかも知れません。

カルコンは「ポリフェノール」の一種で、ポリフェノールとは植物が外敵から身を守るために産生する物質でもあります。大豆イソフラボンやカテキンもポリフェノールなのですが、それぞれにはたらきは違っています。

明日葉の「カルコン」には抗炎症作用、抗腫瘍作用、抗菌性、抗バクテリア作用があるとされ、広い効果が期待されます。

また、ヒト体内には「アディポネクチン」という物質があり、抗炎症、動脈硬化を防ぐ、グルコース(糖の一種)の取り込みに際してインスリンとは別系統ではたらく、など多彩な効果が指摘されています。

内臓脂肪が多くなるとこのアディポネクチンが減少し、健康面での問題につながると考えられます。カルコンを摂取すると、このアディポネクチンが増加し、太り気味の方、内臓脂肪の気になる方にも薦められます(カルコンによって内臓脂肪が減るわけではありません)。

2)クマリン

セリ科に多い成分で、他ではミカン科にも見られます。抗菌作用、抗血液凝固作用などが報告されています。幅広く健康維持に役立つと考えられます。

※明日葉の青汁を飲むぶんには問題になる量に遠く及びませんが、クマリンの過剰摂取はリスクがありますので、念のため記しておきます。

明日葉は生命力にあふれている

他の素材も魅力的ですが、明日葉の良さとして、葉・茎・根の全てを食べられる、という部分が見逃せません。料理としては通常「葉」が使われますが、根も健康食品として高い評価を誇ります。

ひとたび根付いた明日葉が旺盛に育つのは、力に溢れた根があるからこそ。青汁においても茎・根を使った製品があり、大麦若葉やケールにはない特徴です。

伊豆諸島が代表的産地ですが、その島一つ一つ、更には各島の中でもいろいろな種類があるのです。品種改良ではなく、明日葉自身がいくつものバリエーションを持っているのです。

一種でどこででも育つ、というたぐいの力強さをもつ植物もありますが、明日葉は違います。

土質や標高、風など土地の微妙な違いによって性質を変えた種が育ち(色も多彩なんです)、それぞれの地で健やかに根を張り葉を広げる。明日葉の生命力は独特です。

風味は?

若干の「苦味」があるのが明日葉です。あおじろうも天ぷらで何度か食べてみましたが、そのように調理法を選ばないと、なかなか何枚もは食べられない、といった印象。ギュっと栄養が濃縮された感じは天ぷらでもわかりました。

青汁としては、ケールが「青臭い」のに対し、この明日葉の「苦味」をどう捉えるかですね。味の系統は全然違います。個人的にはこちらのほうが得意ですが、個人差のある部分です。

大麦若葉と比べると、これはもう大麦若葉の飲みやすさには全く敵わないですね。ただ何といいますか、青汁はややクセのあるからこそ続けやすい、飲みごたえがある、そういう側面もあります。あおじろうとしてはやっぱり一度は試して欲しい、と感じます。

管理人あおじろうの考査

栄養バランスもよく、青汁の代表格であるケールと比べても遜色ないどころか凌駕する栄養価を誇ります。また葉・茎・根と全てが食用にできるのも他の素材と異なっている点です。

味については、苦味がありますが「グイッ」と飲み干した際の充実感はかなりのもの。大麦若葉の甘さ・飲みやすさには敵わないとしても、ケールと比べると好み・個人差となりますね。

栄養素面から他の青汁と比較しても十分以上ですし、カルコンの効果も期待できます。価格的にも他の素材と大差ないので、まず一度試すのに迷う必要は無しです。

あおじろうとして着目しているのは、この植物が小さな島々などで力強く生きるセリの仲間であること。作付も全国各地でなされるわけではありません。更に島それぞれでも微妙に種類が違う、こういった部分に栄養素分析からはわからない生命力を感じます。

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