食物繊維の効果一覧と考察
足りていない食物繊維
国の示す食物繊維所要量は、成人で約20g。しかしながら、所要量に達するだけの食物繊維を摂れているのは60-70代の女性ぐらいで、ほとんどの方は5-10g不足しています。
食物繊維のポイント 1.健康全般に欠かせない要素
食物繊維は「栄養素」ではなく、昔は「役に立たない成分」とまで言われていました。しかし今ではその大切さが知られています。
肥満・コレステロール上昇の抑制
食物繊維は、肥満やコレステロール上昇を抑制します。食物繊維は「栄養素」ではありませんが、生活習慣病の予防には欠かせない要素なのです。
なお、ポテトフライやポテトチップスにも食物繊維は含まれますが、それらは揚げ物。脂肪分など肥満に繋がる要素を併せ持っています。食物繊維を摂取した効果が上がるというより、その食品自体でプラスマイナスの効果が相殺されてしまう配合が多いです。
血糖値上昇を抑える
高血糖にお悩みの方にも食物繊維は大事です。高血糖を招くのは「糖質の多い食事をし、食物繊維を摂らない・少ない」状態です。たとえば「ご飯やパンを沢山食べるが、野菜をあまり摂らない」状態ですね。
食中・食後に高まる血糖値を抑えるために「インスリン」という物質が分泌されますが、いつもいつもこれが続くと、インスリン分泌機能が低下し、やがては糖尿病になってしまうのです。
食物繊維は、胃から小腸への栄養の移行を緩やかにし、腸内での栄養素吸収速度を適度に緩めてくれます。既に糖尿病である方も、食物繊維はQOL(生活の質)を保つために多く摂りましょう。
食物繊維のポイント 2.余計な物質を排出する
食物繊維には、「体内の余計な物質を排出する」という大切な働きがあります。「お通じが良くなる」こともこの代表ですね。
便秘解消だけではない
感覚としてお腹がすっきりする、便秘の不快が解消されることは勿論ですが、体内にとどまっていると良くない様々な物質を排出してくれるのです。大腸の動きも良くします。
食物繊維のポイント 3.青汁での摂取が有効
簡単なようで意外と摂りにくいのが食物繊維。青汁では効率良く、無理せずに食物繊維を摂れるのです。他の野菜も含めて考察してみましょう。
青汁に使われる素材はどうか
青汁なら…。たとえばケールでは、食物繊維が100gあたり3.74g含まれます。明日葉では5.3g・基部5.6gです。大麦若葉では44gとケタの違う数値ですが、大麦若葉は野菜として使われることが少ないため、少し別枠で考えたほうが良いでしょう。
先に言ってしまうとケールの数値はそんなに凄いものではありません。レタスと比べたら3倍ですが、レタスは100g当たり1.1gの食物繊維含有、とても少ない部類なのです。参考として生キャベツで1.8g、ほうれん草で3.6g、ごぼうであれば5.7g含まれています。
摂取ハードルは結構高い
さて、一日の所要量20gを摂取するには、もしごぼうだけを食べるなら300g以上、キャベツだけなら約600gも食べなければいけないことになります。いくらなんでもこれは非現実的ですね。でもそれが所要量の現実なのです…。
もう少し実際に即した感じで「ほうれん草100g(3.6g)+ごぼう100g(5.7g)+トマト100g(4.6mg)」、と食べたとしても、13.9g程度です。ここに生レタス100gを食べたとしても、15g。…足りていません。意外にもハードルが高いのです。
野菜以外でも摂れますが、ご飯100gでも0.3g、玄米でも1.4gと、なかなか難しいんです。良いとされるさつまいもでも、3.5g/100g。ウーン…「さつまいもを毎日3本(600g)ぐらい食べれば…」というのもあるんですが、おいしくっても「毎日」はどうでしょうか?現実としてはちょっと…ですね。
青汁に使われる「明日葉」は天ぷらなどでも食されますが、100g(天ぷらとしてではなく、葉の部分でですよ)はちょっと食べられない量で、よしんば食べたとしても約5gなのです。
青汁での摂りやすさが際立つ
青汁では、1杯分でも1-2g~程度の食物繊維を摂れます。これを1杯飲むだけでもキャベツ1個分ぐらいに相当するわけです。
朝昼晩と3回飲めば、さつまいもを1-2本食べているぐらいの計算です。野菜がどうしても苦手な方でも「食物繊維、毎日20g」に大きく近づきます。
食物繊維が僅かに不足している方の場合は、青汁一杯のサポートで、確実に毎日の所要量を上回ることでしょう。
青汁の素材も食物繊維に富んだものが多いですが、そのことよりも、「100ml~180mlといった液体を飲むだけで摂取できる」、これがキーポイントなのがお分かりいただけますでしょうか?
食物繊維は、良いとされる量を摂るのが難しいですね。ホント難しいです。「さつまいもを2,3本食べたら成人所要量の数倍ぐらいか?」などと考えていた時期もある私あおじろうですが、とんでもありません。でっかいサラダボウルでレタスやトマトなどを沢山食べても、足りていないケースがあるのです。
あと、本文で触れませんでしたが食物繊維には水溶性・不溶性と二種類あります。両方が体に必要です。海藻類やごぼうには水溶性のものが多く含まれ、多く摂ると便が緩くなる傾向にも。青汁各種では、不溶性であるか、バランスを考慮し不溶性に水溶性を組み合わせてあります。
青汁ですと、ゆっくり飲んでも1,2分、グイっと飲めば数秒でも沢山の食物繊維が補給できます。いわゆる「お腹スッキリ」といった感覚だけでなく、血糖値の急な上昇を抑える、様々な不要物質を外に出すなど、食物繊維は大切で欠かせないのです。
一点だけ注意したいことがあります。食物繊維には「食塊」という(体内における)食べ物の塊を大きくする作用があり、満腹感を多くして「食べ過ぎ」を防ぐ効果があります。青汁を飲んでから食事をしてもある程度はこの効果がありますが、「野菜を食べながら魚・肉、ごはんを食べる」というのも、やはり大切なのです。