番外編!ミドリムシの効果とは何なのか?

いきなりミドリムシって言われても?

ミドリムシ。理科の授業などで、何度かは聞いたことがある名前じゃないでしょうか?写真も知っている人は多いかもしれません。植物でありながら動物の性質も具有するという単細胞生物ですね。

今は学名である「ユーグレナ」と呼ばれることも多いようです。しかしそれにしても、青汁のことをずっと考えて数年飲んでいて、2012年、突然ミドリムシの話。私も最初は何のことやらびっくり。

でも何やら、青汁、ないし似た効果を持つものとして、大変、有用なんだそうです。ここではその概要と、主に健康食品としての効果を考えてみます。

名前からくる誤解

ミドリムシの学名はユーグレナといい、藻類にも分類されます(にも、というのは分類には幾つかの学説があるため)。食用に供されるのは「ユーグレナ・グラシリス」という種類です。

「ムシ」といってもその実態は「藻」であり、珪藻などに近いものです。間違っても目や脚などありません。大きさは0.05mm程度、1個体がいても、肉眼では存在がわからない程度の大きさです。

野菜の「とんぶり」や、海産のヒジキ等を非常に小さくしたようなイメージでも食べられます。まして完全に動物である「桜えび」や「しらす干し」、魚の卵類なども食用になることを考えると、小さな藻であるミドリムシに名前から抵抗感を持つのは少々勿体無いことです。

増やしやすく、環境にいい

ユーグレナ社によって大量培養が可能となり、「一ヶ月間で10億倍」にもなるというミドリムシ。同社開発の特殊技術は必要ですが、農作物をつくるよりは手軽に増やせるという側面があります。気候などを選ばず、20度~の温度を保てるところなら、専用プールの設置で、どこでも培養できるからです。

また高い二酸化炭素固定能力を持ち、同一面積の熱帯雨林をも上回るとのこと。この為ただ培養するだけでも環境に寄与する側面を持ち、油を作る品種もあるためバイオ燃料としても着目されています。

どんな植物でも進化を続けており、一万年単位などで考えれば、今あるようなイネや麦が存在しなくなるということも考えられなくはありません。しかし5億年の歴史を持つミドリムシは、変わることなくのんびり生活しています。ほんとうの意味でほぼ永遠に活用・共生できるのです。

さあそんなミドリムシなんですが、食べ物、とりわけ健康食品としてどうなんでしょうか?

ミドリムシのポイント 1.バツグンに高い栄養価、多数の栄養素

ミドリムシは葉緑体を持ち光合成を行います。栄養素は植物に近いものがメインとなり、ビタミン・ミネラルの構成も植物に見られるものが含まれます。DHA・EPAなど魚に多い成分も含みます。

なんと59種の栄養素を誇る

ミドリムシの栄養素は59種類(!)にも上り、大変バランスに優れています。
ビタミン類で言えばα、βカロテンやビタミンB1、B2、B6、B12、C、D、E、K1。
ミネラルは9種含んでおり、マンガン、銅、鉄、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、カリウム、リン、ナトリウム。

更にここからがすごいのですがアミノ酸18種、不飽和脂肪酸までもが含まれます。ミドリムシ特有の成分である「パラミロン」、クロロフィル、ルテイン、ゼアキサンチン、GABA、スペルミジン、プトレッシンなども含有。

無理やりそれらを詰め込んだ「サプリ」でも何でもないですし、品種改良も何ら行われていません。それでこの栄養なのです。

そうすると、太ってしまうんでは?などと考えるかもしれませんが、カロリーは低め。感覚としては「青汁」に近いような摂り方ができます。ユーグレナ・ファームの緑汁の場合だと「1包(1杯分)13kcal」で、一般的な青汁同様。参考として、お野菜は100gあたり10-40kcalの物がほとんどで、ごはんは100gあたり168kcalです。

パラミロン

写真また、「パラミロン」というミドリムシ特有の成分があります。パラミロンとは表面にたくさんの穴が開いておりヒトの体外に不要物質を排出する働きを持ち、野菜の食物繊維に似た効果を発揮します。

ミドリムシのポイント2.細胞壁がない

ミドリムシは動植物の中間的な特質を持ちますが、それが健康食品としての良さにつながっています。

細胞壁がないので、栄養の吸収が良い

植物と異なってミドリムシは細胞壁を持たないため、栄養素を93.1%(ユーグレナ社による)も消化できるのです。草食動物は消化器官内に「セルラーゼ」等を持ち細胞壁を容易に壊せますが、ヒトにはそれができません。

もちろん肉や魚も細胞壁がないのは同様ですが、肉や魚だけを食べていると人間は生きていけません。ミドリムシはそれだけを食べていても(人が)生きていられるとされ、宇宙食として研究された歴史があります。

野菜の細胞壁、実際どうなのか

野菜の細胞壁は、

  • 1)加熱する
  • 2)破断などの処理をする(青汁など)
  • 3)「形がなくなる」ぐらいまで咀嚼する。

この方法で壊せます。

しかし、1)の加熱処理は栄養の一部を失います。また3)は完全にはできていない人がほとんどで、たっぷり野菜サラダを食べたつもりなのに栄養不足、ということがあり、高齢の方にも問題となります。

・・・咀嚼についてなんですが、あおじろうは子供時代「よく噛まないと消化に悪い」=お腹に悪い、早食いは行儀が悪い、といった軽い解釈をしていました。この細胞壁の話は子供時代聞いたことがなかったですね。理科の授業で細胞壁の存在は知っていても、この話と結びつけては教えられませんでした。

もともと細胞壁を持たず栄養価に優れたミドリムシは、野菜の栄養素をベースに、動物性食品の良い所も取り入れたような成り立ちの食材なのです。そのように人工的操作をしたんではなく「天然」だから安心だし不思議です。

管理人あおじろうの考査

やはり栄養価の高さと「細胞壁がないこと」が魅力ですね。人間は雑食性であり、草食動物ともまた違います。「肉や魚、野菜、穀物」とバランスよく取るのが良いとされますが、サポートとしてこのミドリムシを摂取すると、栄養バランスの偏りはかなり防げるんじゃないかと思いますね。

言ってみれば人間も雑食かつ言葉や道具を操るヘンテコな生き物です。「植物とも動物ともつかない」というミドリムシおよびその栄養とは、不思議なマッチングを感じますね。変わり者同士相性がいいのでしょうか。冗談のように聞こえますが、こういう問題(生物種同士の不思議な相性)に関する研究も多いのです。

風味面でも、やや海藻のような味を感じるとか、好評な部類。ほとんどの人の反応が、「ムシという名称に抵抗感」→「なんだか普通の味だった」というもの。クセのあるものも多い「青汁」として考えると相当飲みやすいのに間違い無いですね。

ひとつだけ言うとすれば・・・

健康食品にとどまらず様々の用途が考えられるミドリムシ。他の青汁素材が概ね「健康食品のため」に栽培されているのとは利用構想のスケールが違います。関連ビジネスが上手く進めば相当な大規模での培養が行われる「はず」。

ですが、現状ですと市場のミドリムシベース青汁は他と同様な値段ですよね。培養規模が限られているので今は仕方ないとしても、いずれぐっと低価格になるんではと思うんですが、どうなのでしょうか。

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